2008年04月07日
【最近のペット事情】
悲しい現実
先週、最近よく吐き、元気食欲がないということで一匹の猫が来院しました。
その猫は9歳の雌猫MIAU(ミアウ)ちゃん。飼主さんは外国人の方で、本国から連れて来て日本で生活しているようです。

血液検査、血液生化学的検査、尿検査の結果、慢性腎不全の末期で尿毒症と診断を下しました。重度の脱水もあります。
慢性腎不全はネコちゃんの死亡原因の第1位の病気です。
慢性腎不全は、何らかの原因により長期間にわたって腎臓の機能が徐々に低下し、病態は確実に進行し元に戻らないと言われています。

ミアウちゃんは、体重3.5キログラム、Cr(クレアチニンの略)19.8mg/dl、BUN (血液尿素の略)140.0mg/dl以上、TP(総蛋白質の略)9.9mg/dlと高値を示しました。

CrもBUNも腎臓から排出されますので、腎臓の働きが落ちると、体にたまってしまいます。この性質を利用して腎臓の機能を評価するのが、血中のBUN値であり、Cr値であるわけです。正常値(基準値)は以下の通りです。
Cr0.8〜1.8mg/dl、BUN17.6〜32.8mg/dl

飼主さんに写真や図表、数値を示してゆっくりとした日本語で説明させていただきました。理解していただいたのか、大粒の涙が止め処なく流れました。

ヒトの場合、人工透析を受けるか、腎移植を受ける以外に命を延ばす方法はありません。残念ながらネコや犬の場合、そのような延命手段を取れないのが現状です。

ミアウちゃんの治療は、輸液を主体に腎不全に対する血圧のコントロールと嘔吐の制御、吸着剤の投与をして症状の改善を計っております。一日でも長くミアウちゃんと過ごせるように努めております。

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